田中安茂のプロフィール

 JCDA日本合唱指揮者協会会員   音楽之友社主催中学校音楽授業研究会会長  21世紀の合唱を考える会 合唱人集団「音楽樹」 会員

   放送大学非常勤講師 面接授業「合唱の楽しみ」。著書「みんなが音楽を好きになる!やすしげ先生の楽しい合唱メソード」。「中学校音楽教育実践指導全集」等。

 

 東京都小金井市在住。1981年千葉大学教育学部卒業。合唱指揮法を栗山文昭氏、指揮法を高階正光氏に師事、声楽を山本敬氏、宮野モモ子氏、河合孝夫氏に師事。

 市川市立南行徳中学校にて合唱部を創設、1994年NHK学校音楽コンクール中学校部門全国大会金賞受賞。同コンクールで全国大会銀賞、銅賞を受賞。全日本合唱コンクール中学校部門全国大会では3年連続金賞をはじめ全国大会に10回出場(うち7回金賞受賞)。2011年市川市立第五中学校に転任、合唱部創設。全日本合唱コンクール全国大会で2013年には銅賞を受賞、2015~2017年には三年連続金賞など短期間で全国レベルに育てあげる。 2019年東京都の鈴ヶ森中学校(選択)をボイストレーナーとして指導し、2年でNHK学校音楽コンクール全国大会出場を果たす。2020年より部活動外部講師として活動する傍ら、合唱指導者として各種コンクールの指導。多くの成果をあげている。また、音楽教育指導全集や音楽教育書の執筆、指導者向けDVD制作、合唱教材のレコーディングをはじめ全国各地の音楽講習会の講師、コンクール審査などで活躍中。

  現在、市川男声合唱団・合唱団ノア・放送大学合唱団・放唱会・混声合唱団こだま・女声合唱団愛の風・Coro Miraの常任指揮者。

 

50年目を迎えての指針

○人生の大事な何かを訴えるような合唱を創りあげたい。

 人生の大事な何かを訴えるようなあの『眼』をもった合唱団。それはどんな合唱団でもできる。なぜなら、合唱をするという気持ちの根本は同じだから。テクニックも上質。そして、テクニックだけではない何かを訴えることは音楽の基本であり、それができるメッセージ性のある合唱を創ることが私の今の目標です。感動も必ずそこには共存してくる‼️聴いている人にも感動を与えられ、聴いている人の人生にまで影響を与える。自分は合唱歴50年、何かを考え続けてきたのだと思う。それは、感動させられる合唱はなぜできるのか、なぜあのように歌えるのか。いいものを知っているのなら、コンクールで勝てる合唱団だけではなく、『聞く人が感動で涙が出てくるような合唱団を創らなければ』。そういうものを今の世は求めているのではないか。

 『自分達の歌を誇りに思う』『それを訴えてくるような、ぞくぞくするようなあの感覚を表現できる合唱を創ること』それは、テクニックを教えるということよりも、もっともっと『尊い』もので、生きるメッセージだと思う。そして、団員の心に何よりも『宿らなければならない』『絆を訴えてくるような』『それを歌いながら確かめ合うような感じを与える』『居心地のよい、世界にひとつしかない』合唱でなければならない。そのための『哲学』を宿らせたい。

○合唱団の根本は何か

 長年、合唱や授業を通して自分が教えたかったことは何か。根本の歌を皆が共有すれば『仲間』『絆』。その居心地を皆が自覚しているか。『安心感』のうえに立って合唱している合唱。それを追求する『哲学』を持ちたい。いつまでも。

 その感覚は、最初の空間から出てくるものだと思う。言い換えれば、部屋に入ってきたときから違う空気、歌いはじめた時から違う空気が漂う。『自分がこの合唱団にいることの存在をお互いに確かめ合うような歌い方』の根本である。

○そのために何が必要か。

 『音楽は心』自分がずっと子供達に言い続けてきた言葉。一般でもそのベクトルを絶対に感じさせる歌でなければならないはずだと思っている。名前も、その人が何を考えて歌っているかもわからずに歌ってはならない。指導してはならない。クラス合唱がここまで盛んになった理由は合唱には『絆、心をふれあえる』力があるからだと思う。クラス合唱=自分達の団という魂のよりどころでなければならないから。

 音楽への前進と共に、誰よりも早く気づき動いて、誰よりも合唱の事を考えて、誰よりも皆の事をわかっているからこそ、『指導者』になれる。指揮者として尊敬もされる。それは教えるという事を通して今までやってきたことと結び付いているはず。50冊を越えた㊙ノートを繋げることでもあるのだろう。

 

 一瞬一瞬の『音』にかける歌い方をさせるにはどうすればよい?それは、皆にこの合唱団にしかない合唱の哲学を伝えていかなければできないこと。何よりも大切にしなければならないことをきちんと伝えていかなければ。常に、自分の人生や他の人の生き方を大切にして指導する事が証し。そういう合唱を私はしたい。