喉頭懸垂機構

発声専用の筋肉

自然な状態を作り出した上で、発声に本来使うべき筋肉を鍛えていきます。話す行為には使用しないが歌う行為には使用する筋肉に、喉頭懸垂機構(筋群)というものがありますが、これらが古代に比べて退化しており、上手く使えていない人がほとんどです。この喉頭懸垂機構がなぜ重要かというと、声を出す中枢とも言える内甲状披裂筋(俗称:声帯筋)はそれ単体では動きが鈍く、取り巻くようにコーティングされている声帯靭帯を伸展させることでその能力を最大限に発揮します。その声帯靭帯を伸展させるのが喉頭懸垂機構なのです。この筋群を鍛えずして声のプロフェッショナルを名乗ることはあり得ないと言っても過言ではありません。
ちなみにですが、よく●●式発声法のようなネーミングを用いているもの(若干偏見ですが)や、地声系の筋肉を無理矢理作用させるような発声がちらちら見受けられますが、これらはだいたい発声に関わるべきではない筋肉を使用したり、不自然な地・裏のレジスタンスの融合、効率の悪い伸展を行っているというのが実情です。あくまで基本は上記に記した通りになります。 

甲状軟骨と輪状軟骨をつないでいるのが輪状甲状筋。これが収縮すると甲状軟骨が倒れる。甲状軟骨が倒れると、披裂軟骨と甲状軟骨でつながっている甲状披裂筋が伸ばされる。甲状披裂筋は筋肉が交差していて、甲状軟骨から靭帯への筋肉と、披裂軟骨から靭帯への筋肉とが交差して束になっている。ぞうきんをしぼったような形になっている。声帯靭帯は自分では動くことができない。その声帯靭帯を外から引っ張ろうとしているのが喉頭懸垂機構なのである。

粘膜層が弦そのものに当たる。

fn=n/2l√T/ρ  fnは周波数  lは弦声帯の長さ  

           ρは密度声帯が重なっている表面積(声帯筋)

           nは振動の倍率  Tは張力(喉頭懸垂機構)・・大きいほど高くなる)

            だから薄く・引っ張る

声帯筋と喉頭懸垂機構はバラバラに鍛えることが重要!声帯筋は地声。それは結構鍛えられている。喉頭懸垂機構は裏声で鍛える。high Cで裏声を鍛えるのはそのためである。